聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2022年 12月

「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を

見ようではないか」と話し合った。  (ルカによる福音書2章15節)

 

 御子イエスが誕生された町がベツレヘムです。ダビデの町と呼ばれていました。イスラエルの歴史の中で一番愛された王様ダビデが生れ育った町です。イスラエルの人々は長い間、聖書が約束している救い主の誕生を願っていました。救い主はダビデの子孫から誕生すると信じられていました。神様はその約束通り、私たちの救い主であるイエス様をダビデの町ベツレヘムで、妻マリアと夫ヨセフの間に誕生させたわけでありました。

 その夜の出来事です。野宿しながら羊の番をしていた羊飼いたちのところへ、主の天使が近づきました。主の栄光が周りを照らしたので羊飼いたちはとても恐れました。天使は話しかけました。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」

羊飼いたちはその喜びの知らせを聞いて「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合い、すぐにベツレヘムへ向かい幼子イエスと出会って互いに喜んだのです。クリスマスの出来事のクライマックスの場面です。

 羊飼いたちは「さあ、ベツレヘムへ行こう」とすぐに行動を起こしました。なぜ、そうしようと思ったかと言えば「主が知らせてくださった」からです。神様が行動を起こしなさいと促してくださったからです。

 人生は決断の連続です。私たちは小さなことから大きなことまで決断して生きています。日頃の些細な決断はともかく、人生を方向付ける大きな決断が迫られることがあります。進学、就職、結婚等、色々とあります。そのような時は簡単に決めることは出来ません。時に逡巡し、時に立ち止まり、時に迷うのです。でも、決めていかなければなりません。

 何年か前のことですが、大きな決断が迫られ、牧師の諸先輩に相談したことがありました。でも何人かは右に行けと言うし、何人かは左に行けと言うのです。更に混乱し辛い思いをしたことがありました。最終的には右にも左にも行けず、どちらでもないこの道こそ神様の示される方向と信じて行動しました。その道が最善であったと今も信じています。

 「こうすれば夢が叶う」といった類のハウツウ本には、「すぐに決断!即行動!」といった言葉が羅列されています。でも早ければ良いのではなく、これこそ「主の知らせ」と確信に満たされた時こそ、きっと動く時です。

 神様はイエス様の誕生を、今から2000年前のその時に決断されました。その時が最善だったからです。その最善は2000年以上に亘り、私たちに希望を与え続けています。私たちも勇気を出して、神様との新たな出会いを求めて2022年の12月を過ごしていきましょう。クリスマスは是非教会に!