聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2015年 12月

「いと高きところには栄光、神にあれ、
 地には平和、御心に適う人にあれ」 
ルカによる福音書2章14節)

 2015年のクリスマスがやって来ました。皆さんがご存知のようにクリスマスは御子イエス・キリストの誕生を喜ぶ時です。ベツレヘムの家畜小屋に誕生された御子イエスのもとに、野宿をして羊の番をしていた羊飼い達が御子を拝むためにやって来ました。なぜやって来られたのか?御子イエスが誕生した時、主の栄光が羊飼いを照らし、御子の誕生を告げ、更に天の大軍が現れて神を賛美して、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」と告げた言葉を聞いたからでした。
 この賛美の言葉は、神の思いが込められています。「天に栄光、地に平和」という思いです。
 現代は大変、知的な時代です。尊敬される人とは知的な人であり、頭が良く、すなわち、物事を的確に説明出来る人のようにも感じます。ですから、多くの人は理屈が世の中を作ると考え、子育てでも、会社でも、学校でも沢山の説明でもって人を育てようとします。育てようとしますが、実際は思ったようにはならず「どうして、お前は物わかりが悪いのか?要領が悪いのか?」と非難してしまったりします。どうも知的な領域だけでは人も自分も上手く育たないようです。大切なのはやはりその人の意志、と考えることも出来ます。意志をしっかりもって突き進む人のみが成功する、とも言われますが、実際、人の気持ちは弱く、挫折を繰り返し、最後まで意志を貫くことの難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。
 実際に人を動かすものとは何でしょうか?それは知識でもなく、意志でもなく、あなたの心に思い描いているものであり、それがあなたの行動を決めるのです。例えば、我が家の長男の月曜日は早く起きます。油絵の授業が1限からあるからです。楽しみで飛び出していきます。火曜日は何度起こしても起きて来ません。1限から語学の授業があるからです。起きる理由、起きない理由は、説明しなくともお分かりになるでしょう。ですから、あなたの心に思う事、しかもこの先に起こることを予測しながら人は生きているのです。子どもが遠足の日に誰よりも早く起きるのも同じ理由です。釣り好きの御主人が、朝2時でも3時でも、釣りなら起こさなくとも起きてくるのも同じ理由です。人は自分の心で思い描いているものによって生きているのです。
主なる神は、思いによって御子イエスをこの世に誕生させて下さいました。神が「天には栄光、地には平和」を思い描かれたからです。その思いから御子イエスを誕生させる行動を起こされました。だから、御子イエスは「平和の神」です。
 クリスマスは「平和の神」の誕生を心から喜ぶことであり、故にあなたの心に「平和」を思い描くことが求められているのです。クリスマスを喜ぶとは、平和に生きることです。あなたは平和ですか?
なんども記します。人は自分の心に思い描く事柄によって未来を生きるのです。武器を持たなければ物事を解決しないと思い描く人は武器を持つのです。私たちが今、心に描くことは一つ、平和しかありません。あなたの家庭に、夫婦の間に、親子の間に、全ての人々との間に平和を強く思い描いて下さい。そのあなたの思いが、必ず世界を平和に導くに違いありません。
 平和なクリスマスを過ごして参りましょう。