聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2016年 6月

「見よ、それは極めて良かった。」  (創世記1章31節)                             
「聖書」は旧約聖書39巻、新約聖書27巻、合わせて66巻から成り立っています。1巻目が「創世記」と呼ばれ、その最初に天地創造の物語が記されています。

神様は六日かけて天地を創造されました。
一日目に「光あれ」と言われたら光があって、光を見て良しとされました。
二日目は「水の中に大空あれ。水と水を分けよ。」と言われたら空と水が分かれて二つになりました。
三日目に「天の下の水は一つところに集まれ。乾いた所が現れよ」と言われました。すると、そのようになり乾いた所を地と呼び、水の集まったところを海と呼びました。神はこれを見て良しとされました。更に「地には草を芽生えさせよ。」と言われ、植物が成長します。
四日目は「天の大空に光る物があり、昼と夜を分け、季節のしるし、日や年のしるしとなれ。」と言われ、昼は太陽、夜は月と星が現れます。神はこれを見て、良しとされました。
五日目は「生き物が水の中に群がれ。鳥は地の上」と語られ、魚と鳥を作り、「産めよ、増えよ」と話され、繁栄を約束されました。神はこれを見て良しとされました。
六日目に「地はそれぞれの生き物を生み出せ。地の獣をそれぞれに生み出せ」と話され、動物を造った後に、更にこう言われます。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。」
神様は御自分にかたどって人を創造されました。男と女に創造されました。神は彼らを祝福して言われました。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。」人は神様の形として造り出され、この世界に対する支配と責任が与えられました。神は造られた全てのものをご覧になって言われました。「見よ、それは極めて良かった」

私たちの世界は、神様の目から見たら「極めて良かった」という世界です。極めて良かったとはこの世界は元来、バランス良く、人も動物も植物も自然も全てが素敵に調和していたということでしょう。

聖書が伝える思想の一つがここに記されています。私たち人間は、ここ数百年の間に、特に18世紀中頃に起こった産業革命後には、これまでの時間的な流れから考えられない程、早いスピードで、文化、技術を進歩させて来ました。それにより、医療、科学技術、流通、経済等が飛躍的に発展し、多くの人々の命が救われ、救われるだけでなく、日本を含む先進国と呼ばれる国々を中心として、文化的でより快適な生活を営むことが出来ています。私たちもその文化的な生活の恩恵を受け、その生活はまるで当たり前になってしまっています。

けれど、既に多くの皆さんがご存知のように、それにより、世界の様々なバランスが崩れてしまっているのではないでしょうか。自然環境はどうでしょうか。山々の森林は伐採され、世界中の森林がどんどん姿を消しています。日本は春になると花粉症に悩まされる人が多く、私も苦しい思いをしています。水はどうでしょうか?食料はどうでしょうか?大気汚染はどうでしょうか?資源の問題はどうでしょうか?地球が生きているとしたら、既に瀕死の重傷になっているかもしれません。

地球だけでなく、私たちの人間関係はどうでしょうか?家族、親子、兄弟、皆が仲良く元気にお暮しですか?聖書が伝える神の「見よ、それは極めて良かった」という言葉のように皆さん、生きておられますか?世界中がそうなれば最高です。
でも、まずはドレーパー記念幼稚園から、皆さんのご家庭から、子ども達の笑顔から「見よ、それは極めて良かった」を私たちは始めていきましょう。その最初の一歩目は、あなたの「極めて良かった」から始まります。良い人生を歩んで参りましょう。