聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2019年 4月

「喜び楽しむものとして」   イザヤ書65章18節

 2019年度の幼稚園の歩みが始まりました。4月の聖書の御言葉は「喜び楽しむものとして」というタイトルです。この御言葉は聖書のイザヤ書という箇所に記されています。正確にはこう記されています。「見よ、わたしはエルサレムを喜び踊るものとして その民を喜び踊るものとして、創造する。」神様は私たちを「喜び踊るものとして、この世に誕生させてくださった」と教えています。皆さん、喜んでいますか?楽しんでいますか?ところで聖書が告げる「喜び」とか「楽しみ」とはどういう意味でしょうか?

 ある刑務所での話です。二人の囚人が鉄格子から外を眺めていたそうです。一人は、外に見えている地面をみつめながら、自分の人生を憂いて、絶望のため息をついたそうです。もう一人は、同じ窓から見える夜空に沢山の星がきらめいているのをみて、あまりの素晴らしさにうっとりとして思わずため息が出たそうです。二人は同じ環境にありながら、その心の中は全く違っています。

 私たちは、自分の人生が上手くいっていないと思うような時、自分が置かれている環境や、自分の生い立ちのせいにしてしまう時があります。でも、実際に私たちの人生を大きく左右するのは、環境や生い立ちではなく、「心の態度」です。日々の生活の中で、起こって来る出来事を私たちは選ぶことは出来ません。でも、その出来事をどう捉えるのかは自分の心で決めていくことが出来ます。

 「人は触れるものに似る」という言葉を私は良く用いますが、人生とは、真面目で、四角四面に生きていくものと考える親や家族に育てられると、子どもは素直ですから、きっと真面目な子に育つでしょう。人生とは楽ではなく、苦しみを背負いながら生きていくようなものと捉えている家庭に育つと、人生は苦しいものと受け取るでしょう。喧嘩や言い争いばかりしている家族のもとに育つ子は、人生とは負けたら終わりだと思うかもしれません。

 でも、皆さんの家庭ではきっと、生きるとは楽しいことだよ、今日の一日も喜びに溢れているよと、踊るようにして生きておられるでしょうから、そんな家庭に育つお子さんは、人生は「喜び、踊る」ものであり、楽しみ、笑い、将来は素晴らしいと信じながら成長することでしょう。

 聖書に記されている神は、私たちを「喜び、踊るもの」として創造して下さいました。私たちをそのように生きるものとして命を与えてくださったのです。神は、どこまでも肯定的に、前向きに、伸びやかに生きていくことを望んでおられるのです。

 そのようなお子さんに育てたいと思われるのなら、大切なことは三つあります。一つは、自分自身が、自分の人生を喜んで生きていること。二つ目は、自分の子どもに対していつも喜んでいること。つまり、出来るとか、出来ないとか、勝ったとか、負けたとか、早いとか、遅いといった比較や評価をするのではなく、その子の「存在そのもの」を大いに喜ぶことです。三つ目は、私たちの命と存在を支え、肯定して下さる神を知り、神様の愛の中に生きることです。

 ドレーパー記念幼稚園は,そのような神様の愛を伝えたいと願って、明治時代にアメリカから横浜に、そしてこの地にまでやって来て下さったドレーパー宣教師の思いと働きを受け継いで、子どもたちに神様の愛を伝えたいと願った人々によって設立されました。これからも、私たちを「喜び楽しむもの」として下さった神様の愛を沢山受けて、私たちみんなで、一緒に成長していきましょう。