聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2015年 5月

「初めに、神は天地を創造された。」 (創世記1章1節)
                                            
 地球カレンダーという言葉をご存知でしょうか。科学的には地球が誕生してから40億年〜60億年と言われているようですが、仮に50億年と考えることにします。その50億年を1年365日に例えるとするとどうなるのか?
1月1日午前0時 地球誕生です。ガス状の固体粒子が集まって無数の微惑星となり、それらが合体と衝突を繰り返しながら原始地球が誕生します。1月12日 地球と月の分離 1月16日 地殻の形成 2月9日 陸と海の形成 2月25日 原始生命の誕生 3月29日 バクテリア登場 5月31日 バクテリアから酸素が放出される。7月18日 活火山や凍結を繰り返しながら、酸素が増えてくる。9月27日 多細胞生物の誕生 11月14日 オゾン層の形成 11月20日 魚類の出現 11月28日 植物が陸に上がる 11月29日 魚類から両生類 12月3日 両生類から爬虫類 12月5日 氷河期 12月13日 氷河期が終わり恐竜時代 最古の哺乳類 12月19日 鳥類 12月25日 恐竜の全盛期 12月31日 午前10時40分 ホモ・サピエンス(原生人類)登場 午後11時3分 旧人登場 11時37分 新人類登場 11時58分52秒 農耕が始まる。11時59分46秒 イエス・キリスト誕生 11時59分58秒 産業革命 11時59分59秒 21世紀。
このようになるようです。地球の歴史を1年と考えると私たちが生きている時間は1秒も無いことになります。ほんの一瞬です。けれど、その一瞬をどう生きるのか?生きようとしているのか?
 ある大学の理工学の教授からも聞いたことがあります、『この地球カレンダーを作ってみると、確かに上記の表のようになる。科学はここまで進歩しました。ここまではわかるのです。けれど、どうしてもわからないことがある。それは、なぜ、そうなって来たのか?その説明は出来ません。』と話しておられました。その先生は信仰を持っていました。科学技術の最先端を学ぶ学者がなぜ信仰を持っているのでしょうか?答えは明らかです。学べば学ぶほどに、分からないことが多すぎて、そして何か「畏れ多い何か」に対してチャレンジしているかのように感じるからだと思います。実際、私自身体験したことは、キリスト教主義大学の文学系の学生よりも、理工系の学生のほうが、礼拝に良く集まるように感じました。
「初めに、神は天地を創造された。」この言葉は、勿論、科学的ではありません。科学的に証明しようとしても無理でしょうし、その必要もありません。もともと、聖書は科学的に考えられて記されたものでもありません。地球に生きる私たちが、その一瞬としか言いようのない命を精一杯、力強く生きる為に、どうしても必要なものであったから記されたのではないでしょうか。なぜ、必要なのか、私たちはその一瞬の命の中でも1人では生きられないからです。聖書によれば、神は天地を創造されました。そして人間を造られました。聖書が伝えている大切なことは、私たちは神によって命を与えられ、生かされている一人ひとりであるということです。命の長さのみならず、その確かな深さ、高さ、広さを生きるようにと神が人の手を用いて作られたのが聖書です。聖書とは正典とも言います。正典とはカノンです。カノンとは、基準という意味です。
この天地の全てを創造され、命を与えて下さった神を基準として私たちは生きていきたいものだと思います。