聖書の言葉 牧師 小林美恵子
「エルサレム、エルサレム、予言者たちを殺し、自分に遣わされたれた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはおまえの子らを何度集めようとしたことか。だが、おまえたちは応じようとしなかった。」
(マタイによる福音書23:37)
『ひよこさん』という童話があります。ある日、ひよこちゃんは、一人でお散歩に出かけます。どんどん歩いて、また歩いて、夕方になり、すっかり周りが暗くなってきたのです。ひよこちゃんは、疲れてしまい、その場に、寝込んでしまうのです。
朝になり、なんとなく温かいものを感じ、目を覚ますと、なんと母さん鶏が一晩中、羽を広げて、ひよこちゃんをすっぽりと包み込み守っていたのです。鶏母さんと、ひよこちゃんは、何事もなかったかのように、お家へ帰っていきました。
ざっと、このようなアラスジです。
お母さんの優しさお母さんの愛、それは神様に通じるものであります。神の愛のひな型が母の愛であるいっても過言ではないでしょう。母という存在は、必死で子供を守り抜く存在であります。その子供が、幼ければ幼いほど、自分の命をかけても、子供を慈しみ、見守り、全力で守り抜くのです。
「めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはおまえの子らを何度集めようとしたことか。だが、おまえたちは応じようとしなかった。」イエスの叫びであります。
イエスの時代、エルサレムの人々がイエスを拒絶し、受け入れようとしなかったことを嘆いているのです。神様の愛と恵みを知りつつも神の元に来ることを拒んでいる人々への主の嘆きであります。
イザヤ書31:5には次のような言葉が記されています。
「翼を広げた鳥のように 万軍の主はエルサレムの上にあって守られる。これを守り、助け、かばって救われる」
私たちは神の守り、助けの中に生かされているのです。神は、翼を広げた鳥のように、私たち守り、慈しみで覆っていてくださるのです。この愛を拒まず、この慈しみに応じる者になりたいと思います。