聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2014年 5月

「主は倒れようとする人をひとりひとり支え、うずくまっている人を起こしてくださいます。 
詩編145編14節)

 5月は、「母の日」があります。幼稚園の門にウイニフレッド・ドレーパー先生の像を先月設置し、幼稚園の50周年記念を祝いました。50年に亘るドレーパー記念幼稚園に関わりを持って下さった先生方も大勢来られて、喜びの時を持つことが出来ました。既に皆さんも像をご覧になられていることでしょう。ドレーパー先生のお祖母さんはマイラ・ドレーパー先生と言います。マイラ先生は日本で初めて「母の日」の祝いをして、「母の日」を日本に広めた方として知られています。ですから、私たちの幼稚園と「母の日」はとても深い関係があって、「母の日」発祥の幼稚園のように思って下さったら、嬉しいな、と個人的には思っています。
先日の水曜日、幼稚園全員で礼拝を守りました。「父と母を敬いなさい」という箇所からお話をしました。年間予定表に添ってお話をしていますので、恐らく「母の日」と関連付けられるような聖句が選ばれたものと推測出来ます。それで、私は子ども達に「サザエさん」の家族のお話をしました。サザエさんとマス夫さん、カツオ、ワカメ、タラちゃん、そして波平さんに、フネさん。猫のタマ。子ども達は、それぞれの関係性を十分に理解出来なかったかもしれませんが、それでも年長さんなどは大体わかったかもしれません。「サザエさん」は子どもも大人も大好きな番組の一つだと思います。なぜなら、放送開始から既に45年も続けて放送されているからです。
その秘訣はなんだと思いますか?一つは絶対に「修羅場が無い」ということ。「いつも笑顔が絶えない」ということ。「一つの家族として互いに支え合っている」こと等が挙げられるでしょう。夫は働き、妻は家庭を守るといったスタイルは昭和の時代だからではないと私は思います。もし、「妻は家庭にいるべし」というメッセ―ジが番組に醸し出されていたとしたら時代錯誤的と言われ、とっくに番組は終了していたでしょう。大切なことは家庭の形態がどうあるべきなのかということ以上に、家族が家族として互いに愛し合っている。支え合っている。互いに心を許し合っている。そんな姿に視聴者は共感するのではないでしょうか。
サザエさんの作者は長谷川町子さんですが、彼女は敬虔なクリスチャンホームで育ちました。45年前のサザエさんには教会が出てきたり、サザエさんの家で聖書が読まれたりしていたようですが、現在では全くその面影はありません。けれど、長谷川町子さんの心には、聖書に示される「互いに助け合う家族」、「互いに愛し合える家族」の姿が思い描かれていたのではないかと思うのです。カツオがどんなに叱られても、元気で、サザエさんがどんなに失敗しても立ち直れるのは、絶対的に愛して下さる方がおられるということを暗に示していると私は思います。私たちの家庭は如何でしょうか。互いに愛し合っていますか、笑顔が絶えない家庭ですか、笑顔が絶えなければそれは健康への近道であり、そして、そこに神様が一緒にいて下さるのです。どんな状態の中でも、主なる神はあなたを支え、あなたを導き、あなたを持ち上げて、励まし、力づけて下さいます。それがキリスト教の神の姿です。「母の日」もまた、そのような意識の中で、教会の中で始まった喜びの日なのです。幼稚園も一つの家族として、笑顔で過ごしていきましょう。