聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2014年 3月

「希望はわたしたちを欺くことがありません。」
 (ローマの信徒への手紙5章5節)

 私たちは生きていると様々な体験をいたします。職場において、夫婦の間でも、子どもの事においても、色々と悩み、苦しみ、どうしようもないと思える時があります。つらいなぁと思える時が一度や二度、いや、何度も経験することでしょう。それら全てを、もし一言で言えるとしたら、「希望」が無いという事です。つらい、苦しい、そう思っている時、心の中に「希望」が無くなっているのです。
 けれど、私達の心の中に確かな「希望」がしっかりと根付いていると、どのような状況にあっても、もうだめだ、もう手立てが無いとは思わないでしょう。なぜなら、「希望」は私たちを欺くことが無いからです。今与えられているその苦難は、忍耐を、忍耐は、練達を、練達は「希望」を生むと聖書に記されています。 
 教会には「子どもの教会」があります。子ども達の健やかな成長を願って、また、健全な信仰、豊な心が育つようにと、毎週日曜日9時から「子どもの教会」の礼拝が行われています。子ども達、お母さん、お父さん方が集まって下さり、今週などは30名を超える方々と一緒に礼拝を守りました。
私はこの礼拝が、“とても、とても大切な時間”だと思っています。
子ども達は、かなり大きくなるまで、少なくとも中学を卒業する頃までは、一人で生きていくことは殆ど出来ません。ですから子ども達の絶対的な「希望」はお父さん、お母さんです。自分のお母さん、お父さんがいなかったら自分の命にかかわることを子どもたちは本能的に知っています。そこに求められているのは、深い信頼関係です。多くのご両親は、子ども達の信頼に応えようと頑張って、立派な親を演じようとします。でも、時々、立派な親を演じるのに疲れたり、時には何か失敗をしたりすると、その悲しみや、怒りの向け先が子どもとなり、必要以上に子どもに八つ当たりしたり、苛立ちを覚えて、子どもが傷つくような叱りかたをしていないでしょうか?そして、そのような自分を振り返り、後で後悔したりしていないでしょうか?ですからお母さん、お父さんも本当は完全ではなく、一人の人間として不完全な一人であって、でも、お父さん、お母さんが子ども達を支えていけるのは、私たちに命を与えてくださった神様を「希望」としているからだよと教えてあげることがとても大切なのです。教えるといっても、子ども達が理解するには少し難しいかもしれません。だから、子どもと一緒になって神様の前に向かい、一緒に祈り、一緒に歌い、一緒に御言葉を聞き、一緒に過ごすのです。私たちの生きるエネルギーはここにあるよと、言葉ではなく行動で示すことです。子どもたちは言葉を超えて体験として「希望」がここにあることを知り、心にその思いを納めることでしょう。その心は、その子の一生涯を支えます。どんな困難に遭遇しても、神様が自分の「希望」であると信じて生きていける子どもは幸いです。
ドレーパー記念幼稚園の精神も基本的には全く同じです。その子の存在を肯定し、許し、支え、「希望」は決してあなたの生涯を欺くことが無いことを伝え続ける教育をと願って歩んでいます。そして、そのようにしてこの年も守られて来ました。感謝。